排水管は使い方次第で傷み方が大きく変わります。どんな水質のものがどれくらいの頻度で流されるのかによって、寿命が延びもすれば短くもなります。住民やテナントに理解と協力をあおぎ、排水管の長寿命化を目指しましょう。
排水管劣化によって起こる「つまり」「排水不良」「漏水」などの症状の根本的な原因は、管内表面にバクテリアなどの雑菌が繁殖することです。バクテリアなどが繁殖して管内表面に堆積し、徐々に管内の空洞を狭め、水がまともに通ることができなくなり……という流れです。そのため、バクテリアなどの雑菌の繁殖を防ぐ、あるいは遅らせることがもっとも効果的な手だてになります。
油類は排水管内に付着して管をふさぎ、雑菌繁殖の主な原因となります。そのため、家庭で使用した油を排水管で流し続けると、想像以上に排水管のつまりや悪臭の原因になり、管の寿命が短くなります。
同時に流された油はオイルボールとなり、川から海へと流れ出ます。そのため、環境に対して非常に悪影響を及ぼしています。
油を大量に使う飲食店では、下水道局から※グリース阻集器の設置が義務付けられている程です。
排水管トラブルの回避や環境への配慮を踏まえ、油は絶対に流さないように心がけて下さい。
※排水中の油分を分離・貯留して排水管・下水管に流されないようにする装置です。グリストラップとも呼ばれます。
熱湯は排水管の傷みと変形を引き起こします。水と一緒に流すなどして、直接排水管が熱湯にさらされないようにしましょう。
中性洗剤以外の洗剤を流すと排水管を傷めてしまいます。
※洗面所や浴室では髪の毛によるつまり・排水不良が多く起こります。ヘアキャッチャーの使用やこまめな掃除でつまりを防ぎましょう。
サイクロンスーパーコート工法による排水管更生工事では、研磨によって管内部の汚れを除去したのち、雑菌の付着と繁殖を抑制する効果のある抗菌塗料を塗装しています。ここで使用するのは、優れた抗菌性と安全性が認められた製品にのみ与えられる「SIAAマーク」つきの抗菌塗料です。適切な使用と抗菌塗料の二重の効果で、マンション・ビルの排水管を長持ちさせましょう。